平成18年からもう設立できなくなった有限会社ですが、その性質は会社法上の株式会社となりながらも、有限会社という名称は残りました。
この有限会社は株式会社へと変更することができますが、何を基準に判断したら良いのだろうかと思われている方も多いと思います。
一般には、やはり役員の任期が無いので2~10年に一度の役員変更登記(遅れた場合の罰金)が無いことや、決算公告義務がないというメリットが大きいため、有限会社をそのままにするという方が多い様です。(詳しくはよくある質問をご参照下さい)
ただ、若干のデメリットも存在します。
例えば定款の変更等、株主総会で重要な決議をする時には、株式会社よりも重い要件があります。
少し分かりにくいので例をあげます。
亀山社中有限会社(発行済株式300株)
・株主1 坂本竜馬 200株
・株主2 桂小五郎 50株
・株主3 西郷隆盛 50株
この有限会社が、商号を変更して「海援隊有限会社」となりたいとします。
もしもこれが株式会社であれば株主総会に竜馬一人が出席して賛成をすると商号の変更は成立します。(200株以上の株主賛成が必要です。)
しかし有限会社ですので、この場合株主総会には2名以上が出席しないとそもそも株主総会自体成立しません。その上、竜馬のみの賛成では足りず、竜馬を含めた2名以上の賛成が必要です。(225株以上の株主賛成が必要です。)
つまり、有限会社は上記の様な重要事項の決議には、出席した人数(持っている株式数とは関係なく頭数)及び賛成に必要な株式数の要件が重くなっているということです。
会社運営に参加しない少数株主が多い有限会社経営者の方はご注意下さい。
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