2019年3月29日


遺産分割の結果としての相続放棄


 

相続放棄は、2種類ある?で相続放棄の意味として、法律用語としての相続放棄と、一般論的に遺産分割の結果としての相続放棄があるとご説明しました。どういう場合に違いが出るかということで、前回、「故人に借金があり、請求された場合どうなるのか」という部分で違いがでるということでしたね。

 

遺産分割で相続放棄をした場合

 

 では、まず遺産分割で相続放棄をした場合です。

 

●●銀行「故人の借金がありましたので、払ってもらえますか?」

 

Aさん「私は(遺産分割で)相続放棄をしたんですよ。」

 

●●銀行「借金は、自動的に皆さん相続分で相続するんですよ。あなたの相続分は4分の1ですから、借金400万円中100万円を支払わないといけないんですよ」

 

 なんということでしょう。何も貰わなかったのに、100万円の支払い義務はあるんですね。ただ、遺産分割協議書に遺産を貰わない代わりに後で出てきた借金は遺産を貰った Bさんが払う、等の記載があれば、Bさんに「ちゃんと払っといてよ!」とお願いすることはできます。

 

 ただ、●●銀行に「Bさんが払いますのですみません」と言っても●●銀行は「Bさんですか。一応確認しますけれど、Bさんが払わなかったら、あなたに払ってもらいますからね」となるかどうかは分かりませんが、結局上記100万円の支払い義務は消えません。

 

法律用語としての相続放棄は、次回に続きます